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インタフェースデザインの心理学 第2版 スーザン・ワインチェンク著 武舎広幸+武舎るみ+阿部和也訳

各章の内容紹介

1章 人はどう見るのか

脳の約半分は目から入ってくる情報の処理を担当していると言われています。人は目が物理的に受理する情報をそのまま見ているわけではありません。目が受理したイメージが脳に伝達されると脳がさまざまな処理をし、その結果を「見て」いるのです。さて、どのような処理をしているのでしょうか。

2章 人はどう読むのか

本や雑誌などを「読むこと」は現代人にとって情報伝達の主たる手段となっています。しかもインターネットが広まってから、人が「読む」情報の量は爆発的に増大しました。しかし「読むこと」と「理解すること」は同じではありません。ウェブページなどで自分の伝えたいことをきちんと理解してもらうためにはどうしたらよいでしょうか。

3章 人はどう記憶するのか

人間のもつ「記憶容量」は無限ではありません。一度に覚えられる量にも、覚えられる期間にも、その正確さにも限界があります。ただ、こうした限界があることは必ずしも悪いことばかりではないのです。この章では人間の記憶の特性、特に不確かさと複雑さについて解説します。

4章 人はどう考えるのか

脳には膨大な数の神経細胞があり、人間はこれを使って実に多様な処理を行っています。人が「考える」とき、脳の中では一体何が起こっているのでしょうか。人がどう考えるかを理解することは、利用しやすいシステムやサイトを設計しようとする際には非常に重要です。目に錯覚があるように、思考にも錯覚があります。この章では外界の状況を把握するため脳が無意識のうちに行うさまざまな処理を紹介します。

5章 人はどう注目するのか

人を注目させる要因にはどのようなものがあるでしょうか。人はどのようにして、ほかの人の注意を引き、その後も相手の気を逸らさないようにしているでしょうか。私たちが何かに注意を払う払わないの違いは、どのようにして生じているのでしょうか。

6章 人はどうすればヤル気になるのか

これまで人にヤル気を起こさせることが実証済みとされていた方法にも、効果のないものがあることが最新の研究で明らかにされつつあります。何が人をヤル気にさせるのか、どういった状況になれば人はよりヤル気になるのか、最新の研究結果を見てみましょう。

7章 人は社会的な動物である

人にとって社会性は、普段考えている以上に重要な要素です。人は社会生活のためなら身の回りのものを何でも利用します。もちろんハイテク製品やネットのサービスなども例外ではありません。この章ではこうした人と人との社会的なやり取りの背景について、科学的に分析をしていきます。

8章 人はどう感じるのか

人は考える動物です。しかしいつも論理的な考えに基づいて意識的に行動するわけではありません。むしろ、感情的、感覚的な行動、無意識の行動のほうが多いのです。人はどのように感じ、それが最終的な行動にどう影響しているのでしょうか。

9章 人はミスをする

人は過ちを犯すものです。人為的なミスの影響を受けないシステムを構築しようとしても、それは不可能です。また、すべての間違いが悪いとはかぎりません。この章では人間が犯す間違い(ヒューマンエラー)の原因、種類、対処法を見ていきます。

10章 人はどう決断するのか

人がある行動を起こそうと決断するプロセスは、一般に考えられているほど単純なものではありません。人の決断には無意識が想像以上に深くかかわっていることが明らかになってきました。この章では、人がどう決断するかを分析していきます。

本の目次

デザインの心理学(まえがき)

1章 人はどう見るのか

001 目が受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う
002 対象の「あらまし」をつかむのは中心視野より周辺視野の役目
003 人はパターン認識で物を識別する
004 顔認識専門の脳領域がある
005 単純な視覚的特徴のみを処理する脳の部分がある
006 人は過去の経験と予想に基づいて画面を見る
007 人は手がかりを探す
008 人は視野の中の変化を見逃すことがある
009 人は近くにあるものを同じグループだと思う
010 赤と青を一緒に使うと目への刺激が強すぎる
011 男性の9%、女性の0.5%が色覚異常
012 文化によって色の意味が変わる

2章 人はどう読むのか

013 大文字がもともと読みにくいものであるという説は誤り
014 読むことと理解することは同じではない
015 パターン認識のおかげでフォントが異なっても同じ文字だと認識できる
016 文字の大きさは理解度を左右する
017 画面上のものは紙に書かれたものより読みにくい
018 長い行のほうが速く読めるが一般には短い行のほうが好まれる

3章 人はどう記憶するのか

019 ワーキングメモリの限界
020 一度に覚えられるのは4つだけ
021 情報を覚えておくには使うことが必要
022 情報は思い出すより認識するほうが簡単
023 記憶は知的資源を大量に消費する
024 記憶は思い出すたびに再構築される
025 忘れるのはよいこと
026 鮮明な記憶でも間違っていることがある

4章 人はどう考えるのか

027 情報は少ないほどきちんと処理される
028 心的な処理には難しいものとやさしいものがある
029 人は30%の時間はぼんやりしている
030 自信がない人ほど自分の考えを主張する
031 人はシステムを使うときメンタルモデルを作る
032 人は概念モデルとやり取りをする
033 人は物語を使って情報をうまく処理する
034 人は例を使ってうまく学ぶ
035 人は分類せずにはいられない
036 時間は相対的である
037 自分の信念に合わない情報は排除してしまう傾向がある
038 人は「フロー状態」に入る
039 文化は考え方に影響する

5章 人はどう注目するのか

040 注意力は選択的に働く
041 人は情報に慣れてしまう
042 熟練の技は無意識に駆使できる
043 予想頻度が注意力に影響を与える
044 注意力の持続時間は約10分
045 人は「顕著な手がかり」にしか注目しない
046 マルチタスキングは思っているほど簡単ではない
047 危険、食べ物、セックス、動き、人の顔、物語は注意を引きやすい
048 大きな音には驚いて注目する
049 何かに注意を向けるにはまずそれを知覚する必要がある

6章 人はどうすればヤル気になるのか

050 目標に近づくほど「ヤル気」が出る
051 報酬には変化があるほうが強力
052 ドーパミンが情報探索中毒を招く
053 人は予測ができないと探索を続ける
054 「内的報酬」のほうが「外的報酬」よりもヤル気が出る
055 進歩や熟達によりヤル気が出る
056 人は社会的な規範に影響される
057 人は本来怠惰な生き物である
058 近道は簡単に見つかるときしかしない
059 人の行動は「性格だ」と判断されがち
060 習慣の形成や変更は思ったより簡単
061 競争意欲はライバルが少ないときに増す
062 人は自律性をモチベーションにして行動する

7章 人は社会的な動物である

063 「強い絆」を有する集団の規模の上限は150人
064 人には生来模倣と共感の能力が備わっている
065 同期活動をする人の絆は強い
066 オンラインでの交流においては社会的なルールの遵守を期待する
067 嘘をつく割合は伝達手段によって変わる
068 話し手の脳と聞き手の脳は同期する
069 脳は親しい人には特別な反応を示す
070 笑いは絆を生む
071 作り笑いかどうかは動画のほうが判別しやすい

8章 人はどう感じるのか

072 基本的な感情のいくつかは万国共通?
073 グループに関する肯定的な感情はグループ思考につながる
074 データだけよりも物語があったほうが説得力がある
075 人は感じることができなければ決めることができない
076 人は思いがけない出来事を喜ぶ
077 人は忙しいほうが幸せ
078 牧歌的な風景を見ると幸せな気分になる
079 人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
080 大好きな音楽でドーパミンが放出
081 達成が難しいことほど愛着を感じる
082 将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向
083 イベントの最中よりその前後のほうが前向き
084 悲しみや不安を感じているときは馴染みのものがありがたい

9章 人はミスをする

085 人間にノーミスはあり得ないし問題ゼロの製品も存在しない
086 ストレスを感じているときには間違いを犯しやすい
087 エラーのすべてが悪いとはかぎらない
088 エラーのタイプは予測できる
089 エラーの対処法はさまざま

10章 人はどう決断するのか

090 人はほとんどの決断を無意識に行う
091 まず無意識が気づく
092 人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報を欲しがる
093 選択肢が多いほうが思いどおりになっていると感じる
094 「お金」より「時間」
095 意思決定には気分も影響
096 グループによる意思決定をより効果的なものに変えられる
097 人は習慣と価値のいずれか一方を重視して決断する
098 確信がないときは人まかせにする
099 他人は自分より影響を受けやすいと考える
100 目の前にある品物のほうが高値に

訳者あとがき

参考資料

索引