DHC翻訳若葉荘「本日の講義」
第7回 続・翻訳者のための検索エンジン活用法
明けましておめでとうございます。大家さん、ひろし君をはじめとする若葉荘のみんな、そして読者の皆さん、今年もよろしくお願いいたします。私にとって、今年は大変な年になりそうです(なぜかは下をご覧ください)。皆さんの出足はいかがでしょうか? そろそろ「おとそ気分」ともお別れして、お仕事、お勉強モードに戻られる頃ですか? 今回は、前回に引き続き検索エンジンの活用法を探索してみましょう。
さて本題に入る前に、皆さんにお知らせがあります。DHCと私の会社(マーリンアームズ)が共同でシステムを開発した、インターネットを使った通信講座「DHC-オンライン講座」がオープンします。マーリンアームズで、私と一緒に何冊も著書や訳書を執筆している河村政雄(私と同様プログラマーでもあります)、実務翻訳と出版翻訳の経験を持つ武舎るみ(うちのカミさんです)、それに私の3人が、渾身の力を振り絞ってテキストを執筆した下記の講座が1番手です。
最初の2つは翻訳家を目指す人のためのコースです。「料理で学ぶ」の講座は、題材を料理関連の文章に絞って翻訳を学ぼうという本邦初(当社資料による)の翻訳講座です。料理大好きな皆さん、あなたのためのコースができましたよ! これに続いて「○○で学ぶ」シリーズを充実させていくつもりですので、乞うご期待。
テキストのダウンロード、添削課題の提出や添削結果の受領などはすべて、「DHCオンライン講座」のサイトを経由して行っていただきます。印刷・製本されたテキストはなく、ご自分のプリンターで印刷していただくことになりますが、その代わり、いつも最新の情報をお得な(!)価格でご提供させていただきます。さらにさらに、しばらくの間、私たち3人が直接添削を行いますので、是非是非ご検討ください。この他のコースも続々開設予定です。詳しくはこちらへどうぞ!
もうひとつお知らせです。いつものように、「機械翻訳 しっかり入門」に翻訳ソフトに関する話題を追加しておきましたので、ご興味のある方はご覧ください。今回の追加分は「辞書登録機能」の続編で、「共起」についてです。この機能が活用できるようになると、翻訳ソフトの訳の精度をかなりアップさせることができます。翻訳ソフトを使ってみようかなと思われる方はご一読を。
さて本題に入りましょう。前回は、検索エンジン Google のしごくまっとうな使い方をご紹介しましたが、今回は少しひねった使い方を考えてみましょう。
パソコンで翻訳(の勉強)をしていて「90 Inch Tall AP-7 Aqua Palm Tree Bubble Lamp」という表現が出てきたとしましょう。90インチでは、日本の読者がピンと来ません。こういうときはメートル法の単位に換算しましょう。「ひろし君に安産、じゃなくて暗算をしてもらう」「パソコンの電卓を使う」などという手もありますが、じつはGoogle 大明神も電卓代わりに使えます。たとえば、Googleのトップページで「90*2.54」と入れて検索ボタンを押すと「90 * 2.54 = 228.6」とすぐに答えを出してくれます。
電卓だと、同じような換算をするときに、また最初から入れないといけなかったりしますが、Google だと違う所だけ打ち直せばいいので、少し楽ですね。たとえば、次に70*2.54を計算したかったら「9」を「7」に変えるだけでいいのです。
ちょっと話がそれますが、こんな使い方を頻繁にするのならば、Google の「ツールバー」を利用するとよいかもしれません。「Googleの様々な使い方」のページに行くと説明がありますが、インターネット・エクスプローラーの上の方に小さな窓をいつも表示してくれて、その窓に文字列を入力すれば(Google のページに行かなくても)簡単に検索(や電卓計算)ができるようになります。興味を持たれた方はこのページの指示に従って、インストール(必要なファイルをコピーしてきてパソコンに設定すること)をしてみてください。ただ、ボタンをクリックするだけでできるはずです。ついでに「ページランク」なんていうのもわかるようになります。私のホームページはDHCには1ランク負けてますね……。
ちなみに、インターネット・エクスプローラーは利用者の数が一番多い分、「ウィルス」作成者の標的にもなりやすいということで、最近、他のブラウザを使ってホームページ(ウェブページ)を見る人が少しですが増えているようです。その代表格は Firefox(ファイヤーフォックス)というブラウザです。このブラウザには、最初から検索エンジン用の「窓」が付いていて、「ツールバー」をインストールする必要がありません。そのほかにも、新しいウィンドウを開かずに「タブ」を使って別のページを表示できるなど、便利な機能が揃っています。エクスローラーでしか見られないページも多いので Firefox だけというわけにはいかないでしょうが、ウィルスにはこりごりという方など、ご興味を持たれた方はこちらをご覧ください。Firefox にはマッキントッシュ版やリナックス版もありますので、ウィンドウズ以外を使っていらっしゃる方もどうぞ。
またまた、話を本筋に戻しましょう。
上で「しごくまっとうな」という表現を使いました。日本語を書いていて「時々聞くと思うけど、こんな風に使っていいんだっけ?」とちょっと不安になったとき、もちろん(パソコンに入っている)国語辞典も参照しますが、最近は Google 大明神にもお伺いを立てることが多くなりました。試しに「しごくまっとうな」を引いてみると約6,320件にマッチしたと出てきます。これだけ使われていれば大丈夫かなと思いつつ、いくつか本文を読んでみると、「あまりフォーマルな文章には使われていない感じだけれど、このメルマガならばとくに問題はなさそうだな」ということで、そのまま使うことにしました。
英文を書いている(日英翻訳をしている)ときにも役に立ちます。Thank you for your help ...に続く前置詞は for なのか、about なのか、はたまた in ... を使った方が安全なのか、自信がなかったら"Thank you for your help for"などを検索して用例を見てみましょう(前回説明したように全体を引用符で括ってくださいね)。何万件もマッチしていればまず大丈夫でしょうね。時々日本人のものらしい英語ページにばかりマッチすることがあります。そういうときはその表現を使うのはやめましょう。www.xxx.co.jpとかwww.xxx.jpなどが含まれているアドレス(URL)は日本で登録されたサイトですから、そういったアドレスが目立つ場合は要注意です。
Scoring だったか scoreing だったか突然自信がなくなったら、どちらかを検索してみます。たとえば、scoreing を検索すると「もしかして: scoring」なんて表示してくれちゃいます。「scoreing scheme is importtant」と入れると「もしかして: scoring scheme is important」とスペルチェックもしてくれちゃいます(もっともこれは、ワープロのスペルチェック機能を使っていればいりませんかね)。
信頼性は市販の辞書にはかないませんが、検索エンジンを使うとウェブは巨大な「用例辞典」として使うことができるというわけです。さて次回は、ウェブを百科事典として使う方法を考えてみようと思っています。お楽しみに!
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