Game Programming Patterns ソフトウェア開発の問題解決メニュー
書店に行けば、ゲームプログラミングの本が既に10冊以上並んでいます。そこにまた1冊、この本を追加する理由は何でしょうか。私が見たところ、ゲームプログラミングの本は以下の2つに分類されます。
- 特定の領域に特化した本。ゲーム開発の特定の領域に絞って、深く解説した本です。3Dグラフィックス、リアルタイムレンダリング、物理シミュレーション、人工知能、音声処理などの本があります。ゲームプログラマーがキャリアを重ねるにつれて特化していくような領域です。
- ゲームエンジンを扱う本。こちらの本はゲームエンジン全体にわたり、さまざまな構成要素をすべてカバーしようとする本です。特定のジャンルのゲームについて、完全なゲームエンジンを作成することを主眼としています。一番多いのが3Dシューティングゲームです。
私はどちらの本も好きですが、どちらにもカバーされていない領域があると思うのです。特定の領域を扱う本では、その領域のコードがゲーム全体のコードとどのように連携するのかがあまり書かれていません。物理シミュレーションやレンダリングの専門家になれるかもしれませんが、両方のコードをどのようにしたらうまく連携させられるのかは、本を読んでもわかりません。
その点、ゲームエンジン全体を扱う本では連携が扱われています。しかし、連携が強固すぎたり、特定の領域に偏りすぎたりしていることが多いのです。モバイル機器が普及し、気軽にゲームが楽しめるようになったために、多種多様なジャンルのゲームが作成されるようになりました。人気ゲームを移植していればよい時代は終わったのです。ひとつのゲームエンジンだけを説明するような本では、自分の作りたいゲームがそのエンジンに適合しない場合には役に立ちません。
それに対し、私がこの本で提供したいのは、解決策のメニューのようなものです。この本は各々の章が、単独でコードに適応可能なアイディアを解説しています。ですから、作りたいゲームに役立つものをメニューから選んで組み合わせることができます。
著者「はじめに」より
お知らせ
- 増刷(第10刷)決定しました(2024年9月)
- 更新情報 ―― 書評(2018年8月1日)
- IGDA日本の「ゲーム開発者推薦図書リスト」の6位になりました。
内容のご紹介
ゲーム開発のためのデザインパターン集。
Amazon USのレビュー評価 ★★★★★ (100人以上)
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